「下肢」(股から足まで)
に関する後遺障害

下肢に関する後遺障害の症状や等級認定のポイントを弁護士が解説します。

後遺障害の種類(系列)

後遺障害の種類(系列)としては、以下のものがあります。

欠損障害:
下肢(股から足まで)の一定部分を失ったことに関する後遺障害
機能障害:
関節(股関節、膝関節、足関節)の動きが悪くなったことに関する後遺障害
変形障害:
下肢の骨折した部分が固まらない又は曲がったまま固まってしまったことに関する障害
短縮障害:
下肢(股から足まで)の長さが短くなってしまったことに関する後遺障害

欠損障害

どの部位を失ったかについて後遺障害診断書の「10.上肢・下肢および手指・足指の障害」欄の
欠損障害の欄に記載してもらいます。
こちらの「後遺障害診断書における注意点」を参照ください)

予想される後遺障害


厚生労働省労働基準局 監修「障害認定必携」より引用

下肢を膝関節以上で失ったもの

次のいずれかを指します

  1. 股関節で寛骨と大腿骨が離断したもの
  2. 股関節と膝関節の間で下肢を切断したもの
  3. 膝関節で大腿骨と脛骨及び腓骨が離断したもの

下肢を足関節以上で失ったもの

次のいずれかを指します。

  1. 膝関節と足関節の間で下肢を切断したもの
  2. 足関節で脛骨及び腓骨と距骨が離断したもの

リスフラン関節以上で失ったもの

次のいずれかを指します。

  1. 足根骨(踵骨、距骨、舟状骨、立方骨及び3個の楔状骨)において切断したもの
  2. リスフラン関節で中足骨と足根骨が離断したもの
予想される後遺障害とその等級
両下肢を膝関節以上で失ったもの 1
両下肢を足関節以上で失ったもの 2
両下肢をリスフラン関節以上で失ったもの 4
1下肢を膝関節以上で失ったもの 4
1下肢を足関節以上で失ったもの 5
1下肢をリスフラン関節以上で失ったもの 7

機能障害

怪我をしなかった側(健側)と怪我をした側(患側)の可動域を比較して後遺障害の等級が決まります。
後遺障害診断書の「1.他覚症状及び検査結果 精神・神経の障害」欄に関節拘縮、変形癒合、神経損傷などの関節可動域が制限される他覚所見を記入してもらう他に、「10.上肢・下肢および手指・足指の障害」欄に数値を記入してもらいます。
こちらの「後遺障害診断書における注意点」を参照ください)

例外として、自動値を採用する場合があり、その場合には必要な検査を受けてもらいます。
必要な検査については、医師又は弁護士とご相談してください。

予想される後遺障害

関節の用を廃したもの

次のいずれかを指します。なお、関節可動域は、こちらの「関節可動域の測定方法」を参照ください。

  1. 関節の強直(主要運動が複数ある場合、いずれの主要運動も強直している必要がある)
  2. 関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態にあるもの(主要運動が複数ある場合、いずれの主要運動も麻痺している必要がある)
    これに近い状態にあるものとは、他動で可動するものの、自動では健側の可動域の10%程度以下になったものをいう。
  3. 人工関節・人口骨頭を挿入した関節の可動域が健側の2分の1以下に制限されているもの(主要運動が複数ある場合、複数のうちの一つの主要運動が健側の2分の1以下に制限されていれば足りる)

関節の機能に著しい障害を残すもの

次のいずれかを指します。なお、関節可動域は、こちらの「関節可動域の測定方法」を参照ください。

  1. 関節の可動域が健側の2分の1以下に制限されているもの(主要運動が複数ある場合、複数のうちの一つの主要運動が健側の2分の1以下に制限されていれば足りる)
  2. 人工関節・人口骨頭を挿入した関節の可動域が健側の2分の1以下までには制限されていないもの

関節の機能に障害を残すもの

関節の可動域が健側の4分の3以下に制限されているもの(主要運動が複数ある場合、複数のうちの一つの主要運動が健側の4分の3以下に制限されていれば足りる)

予想される後遺障害とその等級
両下肢の3大関節(股関節、膝関節、足関節)の用を全廃 1
1下肢の3大関節の用を全廃したもの 5
1下肢の3大関節のうち2関節の用を廃したもの 6
1下肢の3大関節のうち1関節の用を廃したもの 8
1下肢の3大関節のうち1関節の機能の著しい障害 10
1下肢の3大関節のうち1関節の機能の障害 12

変形障害

「偽関節」(骨折した部位が固まらずに、関節でないところが曲がってしまう状態)の他に、「変形」(骨折した部位が正常な状態よりも曲がって固まった状態)について、それぞれ後遺障害として認定される。
「動揺関節」は、靭帯の断裂等により他動により異常な方向や範囲で稼動する状態を意味します。交通事故では、前十字靭帯や後十字靭帯の断裂で発生しやすいですが、足関節でも発生します。

予想される後遺障害

偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

次のいずれかで、かつ、常に硬性補装具が必要なもの

  1. 大腿骨の骨幹部又は骨幹端部に癒合不全を残すもの
  2. 脛骨及び腓骨の両方の骨幹部又は骨幹端部に癒合不全を残すもの
  3. 脛骨の骨幹部又は骨幹端部に癒合不全を残すもの

偽関節を残すもの

次のいずれかを指します。

  1. 大腿骨の骨幹部又は骨幹端部に癒合不全を残すもので、時々硬性補装具を必要とするもの
  2. 脛骨及び腓骨の両方の骨幹部又は骨幹端部に癒合不全を残すもので、時々硬性補装具を必要とするもの
  3. 脛骨の骨幹部又は骨幹端部に癒合不全を残すもので、時々硬性補装具を必要とするもの

長管骨に変形を残すもの

次のいずれかを指します。

  1. 大腿骨に変形を残し、15度以上屈曲して不正癒合したもの
  2. 脛骨に変形を残し、15度以上屈曲して不正癒合したもの
  3. 腓骨が著しく変形し外部から想見できるほど不正癒合したもの
  4. 大腿骨の骨端部に癒合不全を残すもの
  5. 脛骨の骨端部に癒合不全を残すもの
  6. 腓骨の骨幹部又は骨幹端部に癒合不全を残すもの
  7. 大腿骨の骨端部のほとんどを欠損したもの
  8. 脛骨の骨端部のほとんどを欠損したもの
  9. 大腿骨(骨端部を除く)の直径が2/3以下に減少したもの
  10. 脛骨(骨端部を除く)の直径が2/3以下に減少したもの
  11. 大腿骨が外旋45度以上(=股関節の内旋が0度を超えて可動できない)
    又は、内旋30度以上(=股関節の外旋が15度を超えて可動できない)で変形癒合しているもの

動揺関節

靭帯の断裂などにより関節が動揺している状態。硬性補装具の装着の程度により等級が決まります。
ストレス撮影によりX線写真を撮影する必要がある。

予想される後遺障害とその等級
1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 7
1下肢に偽関節を残すもの 8
動揺関節で常に硬性補装具が必要なもの 8
動揺関節で時々硬性補装具が必要なもの 10
動揺関節で重激な労働時に硬性補装具が必要なもの 12
長管骨に変形を残すもの 12

短縮障害

足の長さが左右で異なる場合、後遺障害として認定される。足の長さは、上前腸骨棘から下腿内果下端までについて測定し、健側と比較する。

予想される後遺障害とその等級
1下肢を5cm以上短縮したもの 8
1下肢を3cm以上短縮したもの 10
1下肢を1cm以上短縮したもの 13

※用語や後遺障害の配列については、一部分かりやすい表現や配列にしたため厳密な定義やもとの文献と一致しない部分があることをご了承ください。

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運営:弁護士法人みお綜合法律事務所

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元保険会社側の弁護士が、2002年に被害者側専門の交通事故チームを立ち上げました。後遺障害認定に関する医学知識を持った弁護士たちが、被害者の適正な後遺障害の等級認定に尽力しています。

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